女の中にいる他人

鎌倉に住む雑誌編集者の田代は、２０年来の親友である杉本の妻さゆりが何者かに殺されて以来顔色が冴えず神経衰弱気味である。
　　妻の雅子に勧められて温泉へ休養に出かけた田代だが、飛び降り自殺の現場を目撃した彼は妻を呼び寄せ、自分がさゆりと関係を持っていたことと、誘われてＳＭプレイをするうちにさゆりを絞殺してしまったことを妻に告白。そのことを聞いた雅子は夫を許し、家族のためにも警察に自首するような真似はしないでくれと懇願する。
　　しかし、自分が呆気なく許されたことで余計不安に陥ってしまった田代は、今度は杉本に告白するが、杉本もまた親友の話を信じようとはせず、自首をすることで自分を悲しませないでくれと田代を諭す。
　　罪を犯した自分が周囲の者から許されている状態が耐えられない田代は、会社の金を横領した同僚・黒岩が警察に逮捕されるという事件を契機に、遂に警察に自首する決意を固めるのだが。

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